ナブコ防火戸

防火戸の基礎知識:定義と設置基準

本ページで紹介している防火戸(防火扉)の基礎知識は建築基準法を参照しています。防火戸の設置については、建築基準法および所轄の官公庁の指示に従ってください。なお、ナブコ防火戸についての具体的なご相談は、お近くのNABCO正規販売会社にお問い合わせください。

定義

防火戸は、建築基準法に規定される防火設備の一種である。防火設備は法令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの、または、国土交通大臣の認定を受けたものがある。

国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの(告示仕様)

建築基準法および同施行令・建築省告示により、構造方法が定められたもの。

国土交通大臣の認定を受けたもの(大臣認定仕様)

告示仕様で示されている構造からはずれ、仕様規定と同等性能を有するものとして国土交通大臣の認定を受けたもの。

要求性能

性能 定義 関連法規(2022年10月1日時点)
遮炎性能 主に、耐火建築物に要求される防火設備として、特定防火設備、防火設備があり、遮炎時間としてそれぞれ、60分間、20分間加熱面以外の面に火炎を出さないことが要求される 令第109条の2
第112条第1項・第19項第一号
遮煙性能 火災が発生した場合に、階段室の部分、もしくは、昇降機の昇降路部分及び竪穴区画、異種用途区画を通じて火災による煙が上階等に広がることを防止するための性能が要求される 告示第2564号
安全性能 平成17年に新たに追加された性能で、防火設備が閉鎖するのに「周囲の人の安全を確保することができるもの」とするための性能が要求される 令第112条第19項第一号ロ
告示第2563号第1第一号ロ

設置基準

建築基準法上、防火戸が必要な場所

防火地域、準防火地域の建築物、それ以外の地域の耐火建築物、準耐火建築物の「外壁開口部で延焼の恐れのある部分」と「防火区画」には、防火戸の設置が必要となります。さらに「防火区画」には、「面積区画」「竪穴区画」「異種用途区画」の3つに分類され、それぞれで求められている性能が異なるため、適した商品の選定が必要となります。

外壁で延焼の恐れのある部分

延焼の恐れのある部分とは、隣家の火災により火災を直接受けたり、火災の輻射により延焼を受ける恐れのある部分である。

隣地境界線、道路中心線又は同一敷地内の2以上の建築物(延べ面積の合計が500m2以内の建築物は、1の建築物とみなす。)相互の外壁間の中心線から、1階にあっては3m以下、2階以上にあっては5m以下の距離にある建築物の部分をいう。
ただし、防火上有効な公園、広場、川等の空地若しくは水面又は耐火構造の壁その他これらに類するものに面する部分を除く。

防火区画

建築基準法関連法規に定められた区画で、火災時に火災が急激に燃え広がることによる被害の拡大を、防火戸などの防火設備により区画内に封じ込めることで、最小限に防ぐためのものである。(分類:面積区画、竪穴区画、異種用途区画)

①面積区画

耐火建築物や準耐火建築物を対象に、100~1500㎡ごとに平面を区画し、水平方向への燃え広がりを防止し、一度に避難するべき人数を制御している区画。遮煙性能は要求されていない。

高層区画

面積区画の中でも高層階(11階以上)については、避難安全性が低下するため、中低階層(10階まで)より厳しい基準が設けられる。原則100㎡以内に区画必要だが、不燃材、準不燃材の使用、さらにスプリンクラーの設置により、最大1000㎡の面積まで拡大できる。

地下街

高層階に準ずる基準で面積区画が必要。

<面積算定から除外できる部分>

  • 映画館、工場等用途上区画できない部分
  • スプリンクラーを設置した部分の床面積の1/2
  • 竪穴区画を準耐火構造の床もしくは壁、または特定防火設備で区画した部分

面積区画のナブコ防火戸ラインアップ

自動引き戸

手動開き戸

はめ殺し

②竪穴区画

準耐火構造を対象に、吹抜き、階段、エレベーターの昇降路の部分(昇降ロビーを含む)、ダクトスペースなど縦に空間が広がっている部分は、火災時の炎や煙が広がりやすく危険なため、その防止と同時に避難経路を確保するために必要となる防火区画。竪穴区画の出入口には遮煙性能を有する防火設備が必要。

吹抜き、階段、エレベーターの昇降路、ダクトスペース等竪穴を形成する部分を区画

竪穴区画に設置されるエレベーターのドアがCAS認定品ではない場合、エレベーターホールに設置される防火戸はCAS認定品が必要となります。

竪穴区画のナブコ防火戸ラインアップ

③異種用途区画

特殊建築物の部分間で異種用途区画は、準耐火構造の床、もしくは壁、または遮煙性能を有する特定防火設備が必要。

※1つの建物内に、住居やオフィス、駐車場など、異なる用途区画が混在しているような複合施設で、用途ごとの安全性を保つため、相互を遮煙性能のある特定防火設備で区画する必要がある

<特殊建築物(例)>

  • 劇場、映画館、演芸場、観覧場、集会場等
  • 病院、診療所、ホテル、旅館、共同住宅等/2
  • 学校、体育館等
  • 百貨店、マーケット、展示場、キャバレー、遊技場等
  • 倉庫等
  • 車庫、自動車修理場等

異種用途区画のナブコ防火戸ラインアップ

自動引き戸

手動開き戸

はめ殺し

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